千刻
千刻とは、グリッドトレードを行うために設計・開発されたMetaTrader4専用の自動売買システム(Expert Advisor)です。相場に対し等間隔の値幅でポジションを取り、一定利益が得られるタイミングで決済を行う・・・という最も普及しているグリッドトレード手法を採用しています。
各FX業者のリピート系FXサービスでグリッドトレードを行うことは可能ですが、FX業者が固定されることでトレード環境が限られる、機能不足があるなどで実際の運用面では不便・不満を感じる事もあるかと思います。
千刻は多様化されるグリッドトレードへのニーズを満たすべく、機能を充足しつつ運用途上での戦略変更を行いやすいよう柔軟性を最重要視しています。MT4ならではの「FX業者の選択の自由」「自由度の高さ」により、多岐に渡るグリッドトレード戦略を実現可能とています。
また、古くから確立されたグリッドトレード手法を尊重し、テクニカルレスにすることでシステムの寿命を持たせないようにしました。テクニカルが相場にマッチしなくなるといったリスクを排除し、運用者のグリッドトレード戦略を実直に運用するために特化したシステムです。
システム特徴
- テクニカルレスのグリッドトレードであるため、手法そのものの寿命はありません
- FX通貨ペアのほか、日経225、ダウ、ビットコインなどの仮想通貨も運用可能で銘柄を自由に選択できます
- 売買方向は、BUY,SELL,両建てともに可能です
- 売買価格の制限(注文レンジの指定)を行えます
- ポジション間隔、利幅、損失幅を自由に設定できます
- 運用途中でポジションを抱えながら各種設定を変更できます
- 売買の一時停止やBUY,SELLの切り替えも自由です
- 含み損を抑える逆指値ロジックでポジションを取りすることが可能です
- 利益拡充に貢献が期待できるトレール決済が可能です
- リスク管理のためにポジション数の制限することができます
- 不安定な相場でのポジション取りを抑止するスプレッドフィルターを効かせることができます
- 業者のポジション数制限に対応するため、増えすぎたポジションを集約する事が出来ます
パラメータ説明
自動売買システムのパラメータとその説明です。以下、買いと売りで考え方は同一ですが、説明については買いを前提に記載しています。
パラメータ | 説明 |
---|---|
xAuthKey | 本番口座で動かすための認証キーを入力してください。(認証キーはご購入時にご案内しています) |
xMagicNumber | 他のEAと動作干渉しないよう識別するための番号です(マジックNO)。 他のEAのマジックNOと被らないようにご注意ください。 |
xMagicNumberSub | ポジション集約機能で、集約したポジションに割り当てるマジックNOです。 必ずxMagicNumberと異なる値を設定してください。 |
xAllowSpread | 本設定値よりスプレッドが拡大している場合は新規にポジションを取らなくなります(いわゆるスプレッドフィルターです)。 pointでの設定となりますので、2.0Pipsの場合は20と指定します。 スプレッドフィルターを機能させたくない場合はマイナス値を入れてください。 |
xTradeComment | 新規注文時にオーダーコメントとして付与できます。任意の文字を入力してください。 |
xFontColor | チャートに表示される文字色を選択してください。 |
買いパラメータ | |
xBuyOpenMode | 注文モードです。以下より選択してください。 NORMAL_OPEN:オプション機能を適用せず注文します STOP_ORDER_OPEN:逆指値注文ロジックを適用した成行で注文します(含み損抑止) STARTBAR_OPEN:時間足確定(始値)で注文します(含み損抑止) NOT_OPEN:新規注文しません |
xBuyCloseMode | 決済モードです。以下より選択してください。 NORMAL_CLOSE:オプション機能を適用せずに決済します TRAIL_CLOSE:トレール機能を適用します(逆指値決済を追随させます) STOP_ORDER_CLOSE:逆指値を適用します STARTBAR_CLOSE:時間足確定(始値)で決済します NOT_CLOSE:決済注文しません |
xBuyLots | 買いトレードの取引ロットサイズを設定してください。 多くの業者は1=10万通貨(0.01=1000通貨)ですが、業者・口座によって異なるのでご注意ください。 |
xBuyStepLots | 買いトレードの取引ロットで積み増しするロットサイズ単位を設定してください。 積み増ししない場合は0を設定してください。 |
xBuyMaxPrice | 新規注文を行う上限価格を設定してください。 上限を設定したくない場合は0を設定してください。 |
xBuyMinPrice | 新規注文を行う下限価格を設定してください。 下限を設定したくない場合は0を設定してください。 |
xBuyProfitTakePrice | 本項目に設定した価格に到達すると、利確撤退(買いポジション全決済)し自動売買を止めます。 利確撤退を行いたくない場合は0を設定してください。なお、現在の価格より高い価格を設定してください。0を設定すると機能を無効化します。 |
xBuyLossCutPrice | 本項目に設定した価格に到達すると、損切撤退(買いポジション全決済)し自動売買を止めます。は現在の価格より低い価格を設定してください。0を設定すると本機能が働かなくなります |
xBuyIntervalPips | 買いトレードの注文間隔を設定してください。 |
xBuyProfitPips | 利益幅を設定してください。利確したくない場合、0を設定すると利確しません。 |
xBuyStoplossPips | 損切幅を設定してください。損切したくない場合、0を設定すると損切りしません。 |
xBuyOpenStopPips | 注文モードが逆指値注文方式(xBuyOpenMode=STOP_ORDER_OPEN)のときのみ有効です。 下落後、どの程度反発したら新規注文を行うか幅を設定してください。 |
xBuyCloseStopPips | 決済モードが逆指値注文方式(xBuyCloseMode=STOP_ORDER_CLOSE)のときのみ有効です。 現在価格からどの程度離れたら利確決済の逆指値を入れるか設定してください。 (FX業者の定めるストップレベルより小さい値を設定した場合、ストップレベル値を適用します) |
xBuyCloseTrailPips | 決済モードがトレール決済機能方式(xBuyCloseMode=TRAIL_CLOSE)のときのみ有効です。 現在価格からどの程度離れて追随するかを設定してください。 (FX業者の定めるストップレベルより小さい値を設定した場合、ストップレベル値を適用します) |
xBuyAllowPosition | 保有するポジションの制限数です。設定ポジション数に達した場合、新たに注文しなくなります。 0とするとポジション数制限は行いません(FX業者のポジション制限がある場合は業者の定めるポジション数が上限となります)。 |
xBuySummarizeMode | ポジション集約機能です。以下のオプションを選択してください。 SUMMARIZE_ONLY:ポジション集約する SUMMARIZE_LIMIT:ポジション集約し、利確のための指値を入れる POSITION_CLOSE_ONLY:指定ポジション数になった場合に損切り NOT_SUMMARIZE:ポジション集約しない ※SUMMARIZE_ONLYにすると集約したポジションはEAで決済されませんので裁量で決済ください |
売りパラメータ | |
(記載省略) | (買いと同様のため記載省略) |
機能説明
注文モード
新規注文の方式を決める設定項目です。通常モードに加え、下落中に新規にポジションを取らない逆指値注文ロジック方式、時間足が確定した時に注文処理を行う時間足方式から選択が可能です。
・注文モード:通常(NORMAL_OPEN)
基本となる新規注文方式です。下図では分かり辛いですが、ティックレベルで逆行し続けている場合は新規注文を行わないよう制御を入れています。
・注文モード:逆指値注文(STOP_ORDER_OPEN)
逆指値注文の概念を取り入れた新規注文の方式です。下落中は新規注文を行わず、指定したPips反発したタイミングで新規注文を行います。急落するような相場でポジション数が抑止され、含み損の増大スピードを緩やかにする効果があります。順方向に動く場合は買い上がっていく形になります。
・注文モード:時間足確定(STARTBAR_OPEN)
自動売買システムを動かしているチャートの時間足が確定した時に注文処理を行います。どんなに暴れる相場であっても時間足確定時以外は注文を行わないため、暴落時などにおいてはポジション抑止が望めます。一方で、ポジションを取るタイミングが限られるため収益性も下がります。(順方向に動いても時間足確定までポジションを取りません)
決済モード
決済注文の方式を決める設定項目です。通常モードに加え、決済にトレールを適用した方式、逆指値で決済する方式、時間足が確定した時に決済処理を行う時間足方式選択が可能です。
・決済モード:トレール(TRAIL_CLOSE)
トレールの概念を取り入れた決済方式です。相場の動きがポジションに対して順方向に動く場合、逆指値注文を追随させる形でトレールし、個々のポジションの利を伸ばします。トレンドに乗っている場合やボラティリティが大きい場合に効果が強くでます。一方で、逆行相場・狭いレンジ・低ボラティリティでは決済数減少といったデメリットとして働くケースもあります。
(図は追って掲載)
・決済モード:逆指値(STOP_ORDER_CLOSE)
逆指値で決済する方式です。逆指値を追随させないことで、強いトレンドに乗った場合に決済さらずに利を大きく伸ばす事が出来ます。大きな利が乗ったポジションについては、逆指値に掛かるまで待つ形になるため、プラススワップが大きい場合など有利になります。まあ、大きな含み益に達した際に手動で決済することで大きな利確も狙う事が出来ます。
(図は追って掲載)
利確撤退・損切撤退
特定の価格まで到達したら、保有ポジションを全て決済し、新規注文を止める機能となります。
利確撤退とは、特定の価格(xBuyProfitTakePriceに設定した価格)まで上昇したら保有しているポジションを全決済し、新規注文を止める機能です。目標ライン到達で自動売買を止め、その後の再エントリは様子を見て自身で決めたいといった場合にご活用ください。また、アップトレンドにて、上昇途上の値動きは取りたいが高値掴みを回避したいといったケースでの活用も想定できます。
損切撤退とは、特定の価格(xBuyLossCutPriceに設定した価格)まで下落したら保有しているポジションを全決済し、新規注文を止める機能です。特定ラインを割ると逆行し続ける可能性が高いようなポイントに置くなど、セーフティ機能としてご活用ください。
ポジション数の制限
保有するポジションの制限数(xBuyAllowPosition)です。設定ポジション数に達した場合、新たに注文しなくなります。注文レンジ(上限・下限)の設定と、注文間隔の設定でポジション数のコントロールは可能ですが、それとは別に保有するポジション数の制限も可能です。ポジション過多にならないようセーフティ機能としてご活用ください。
また、後述のポジション集約する際の閾値としても活用されます。
ポジション集約
入手方法
履歴
年月日 | Ver | 内容 |
---|---|---|
2015/04/22 | 1.0 | 初回リリース |
2015/07/08 | 2.0 | マルチグリッド機能追加(要望対応) |
2015/10/09 | 2.01 | 逆指値注文モードの不具合改修 |
2016/01/18 | 2.11 | スプレッドフィルタ機能の拡張 |
2016/02/08 | 2.12 | 損切建て直しモードの不具合改修 |
2017/01/04 | 2.13 | WEB認証機能追加、口座フリー版初回リリース |
2017/02/09 | 3.0 | WEB認証の可用性向上対応 |
2017/02/20 | 3.1 | WEB認証方式改善(デモ口座のユーザー登録不要) |
2017/03/01 | 3.2 | WEB認証方式変更(個人情報の排除) |
2017/07/15 | 3.3 | マーケット情報(BID/ASK)の不正値チェック機能追加・処理性能向上 |
2017/9/10 | 4.0 | 機能削除(損切建て直し、マルチグリッド、リモート設定変更) 機能追加(ポジション数制限、ロット積み増し、ポジション集約,注文ロジックの改良、オーダーコメント入力) |
2017/10/28 | 4.1 | ユーザービリティ改善・パラメータ表示変更及び注文モードの機能拡張 |
2017/12/04 | 4.2 | トレール決済適用時に損切設定が無効になるケースがある不具合を改修 |
2018/05/07 | 4.3 | グリッド表示機能の不具合改修 |
- | 4.4 | 技術検証プロトタイプ(一般非公開) |
- | 4.5 | WEB認証が通らないLinuxVPS環境への個別対応(一般非公開) |
2019/04/29 | 4.6 | WEB認証方式の変更(DLL排除) |
2020/02/12 | 4.7 | 誤設定防止のためのアラート機能追加とWEB認証機能最適化 |
2020/04/22 | 5.0 | トレール決済機能の処理方式変更(階段式から無段階トレールへ変更) |
2021/10/12 | 5.1 | スリッページ対策追加(設定値以上のスリッページが連続で発生した場合に自動売買停止) ログ機能強化(新規注文、決済時にスリッページ発生状況をログに記録) 逆指値注文モードの不具合改修 グリッド表示機能のライン描画数の拡充 |