グリッドトレードはFXで資産運用を可能とします。古くから確立され、どんな相場にも適用でき、ロジックが通用し続ける・・・個人でも再現しやすい唯一の手法です。

グリッドトレードで含み損がキツくなってきた時の対処方法

2020年3月のコロナショックで相場は大荒れ、ドル円も100円切るのでは?という水準まで急落しました。その後は元の水準まで回復していますが、100円程度までしか想定していなかった方はヒヤっとしたのではないでしょうか。

損失を予め計算できる手法において、「含み損がキツイという状態に陥ってから、どうしよう・・・・」と行動を悩んでいるようでは、運用スタート時の考えが浅かったとして反省すべきなのでしょう。

とはいえ、そのような状況に陥ってしまうケースもあるかと思います。そこで、本記事では

グリッドトレードにおいて、含み損が膨大になり資産的にも精神的にもキツくなりつつあるといった時にどう対処したらいいか

ということに焦点を置いてみました。

 

グリッドトレードにおける最大デメリットである含み損の増え方を知る

最初に把握しておかなければならないのは、グリッドトレードの最大デメリットでもある含み損についてです。相場が不利方向に動いたときに均一ロットで等間隔にポジションをとっていくと、含み損は指数関数のグラフで膨れていきます(下図参照)。

つまり、逆行した幅が500Pips,1000Pips,1500Pipsと2倍、3倍になると含み損は4倍、9倍になるということです。簡単な例で確認してみましょう。


(例)ドル円を1000通貨単位・20Pipsの注文間隔

500Pips逆行
110円~105円まで買い下がった
時、
25ポジション(2.5万通貨)保有となり、
含み損は約62,500円
1000Pips逆行
110円~100円まで買い下がった
時、
50ポジション(5万通貨)保有となり、
含み損は約250,000円
1500Pips逆行
110円~95円まで買い下がった
時、
75ポジション(7.5万通貨)保有となり、
含み損は約562,500円

今回のコロナショック相場に当てはめてみます。ショック前の直近高値は1ドル112円、今のところの底値は101円です。レンジを絞らずに全価格帯に仕掛けていたら、3週間程度で約11円(1100Pips)ほどの下落に巻き込まれた形となりました。

上記と同じように仮に1000通貨 20Pipsで仕掛けていたと仮定すると、瞬間的に含み損は30万円程度まで膨れていました。
さらに、あと5円下がっていたら・・・10円下がっていたら・・・、そういったケースを想定できていましたでしょうか。仮の話をしても仕方ありませんが、その先はもっとひどいです。
100円を割って95円程度まで下落していたら含み損は70万円を超えます。レバレッジ25倍の国内口座であれば100万円の口座では証拠金維持率が100%を切っていました(ロスカット執行タイムなら口座が飛んでいた)。
いかがでしょうか。グリッドトレードはそれくらい爆発的な速度で増える含み損に対峙しなければならない手法であり、いかに含み損をコントロールすることが大事かを再認識できましたでしょうか。

対処法1.ロットサイズを小さくする

含み損がキツくなり始めたと感じたら真っ先にすることがこれです。詳細を記載するまでもない方法ですね。リスクが大きいのならば小さくすればいいのです。
1ポジションあたり5000通貨とかなら3000通貨に落とすといった対処です。この対処ですが含み損の増大スピードを緩和するのであって、手遅れになってから実施する方法ではありません。
なお、グリッドトレードはポジションを非常に多く取る関係もあって、資金が十分にない場合は最小取引単位1000通貨で運用しているケースが多いかと思います。そうなるとこの手は使えませんので、次の対処法2を使うことになるかと思います。

対処法2.注文間隔を広げる

ポジションを取る頻度を減らすことによって、含み損の増加スピードを抑える方法です。最小ロットで運用していてロット調整できないケースはこちらでリスク調整する形になります。
すでに保有している損失ポジションはそのままなので、余力が一切なくなってから行うような対処ではありません。「逆行し続けるとこの先ちょっとキツくなりそうだな・・・」という比較的早めの段階で行う予防保全的な措置です。
ポジションは取り続ける形になり、確定利益の積み上げも止まる訳ではありませんので、含み損対策としてまず最初に検討すべき対処かと思います。相場がきな臭くなったときやボラティリティが大きくなったときなども戦略的に使っていける方法です。
注文間隔を広げるのであれば利幅も広げたほうがいいです。値動きすべてをキャッチするグリッドトレードにおいて、注文間隔より利幅が小さいと取りこぼす形になります。
一部のFX業者のグリッドトレードサービス(リピート系FX)では注文間隔を途中で変更できないものもあり、本対処が実施不能なケースもあることをご承知おきください。

対処法3.新規注文を止める

新規にポジションを取らず、相場逆行に対して対処法1、2よりも含み損の増加スピードをさらに抑止します。
具体的には、新規注文を止めればそれ以降の含み損の増加スピードは指数関数から比例関数に変わります。「この先の見通しが不透明で余力が十分でないため一度様子を伺いたい」といったシーンで検討したい対処です。こちらも手遅れになってから行う処置ではないという点は同じです。
この対処は新規ポジションを取らなくなるめ、相場が行ったり来たりしている間に本来得られるはずの確定利益が得られなくなるという点は受け入れる必要があります。
新規注文を止めている間に相場反転して既存ポジションを利確できれば、さらに含み損の増加スピードを緩和します。相場が大きく動いた後は一時的な反転が起きるケースも多く、そういった場面で活用すると効果的です。
FX業者のグリッドトレードサービス(リピートFX)では、新規注文だけを止めるといったケースは基本的に行えないです。自動売買そのものを停止するといった対応が必要です。

対処法4.ポジションの一部を損切する

FXでは当たり前のように実施する対処です。グリッドトレードは基本的に損切しない形で運用設計するケースが多く、通常のFXトレーダーに比べて損切に対する姿勢というか耐性が少ないかと思います。ですが、含み損に耐えがたくなりつつあるなら身軽になったほうがいいでしょう。
ただ、問題となるのは「どのポジションを切ればいいか」です。色々考え方もあるかと思いますが私なら迷わず、「建値がもっとも不利なものから順に損切する」です。
含み損が大きいポジションを損切することになるので、確定損失額という痛みが一番大きいものになりますが、現有ポジションの中で最も利確されにくいポジションはどれか・・・という観点に立ちます。
答えは明白で、買いのケースであれば一番高値圏のポジションです。このポジションが利確されるのは何か月先・何年先になるかわかりません。その価格帯に戻ってくるまでは一切 利益を生まないポジションな訳です。
口座全体の危機に面し、全ポジションを抱えてられないような状況になっているのならば、利益を生み出しやすいポジションを優先すべきです。いつ決済されるか分からないポジションに犠牲になってもらい、今現在稼げる可能性の高いポジションを残したほうがいいというのが私の考えです。

 

対処法5.諦めて撤退する(全決済する)

FXで資産運用するのであれば、グリッドトレードであれ何であれ撤退ポイントは予め決めないといけないです。

グリッドトレードは前述のとおり含み損が爆発的に増えます。資金的にも精神的にも耐えられなくなってから撤退ポイントを探していたのでは手遅れになります。

予め決めていた撤退ポイントがあって、現在価格が撤退ポイントを通過しているなら足掻かずに諦めて全決済です。含み損の増え方は前述のとおり本当に早く、足掻いている間に状況が悪化するということはよくあるケースです。口座に入金を繰り返した挙句にロスカットされる・・・なんていうのはその最たるものです。

予め撤退価格を決めていない方で、精神的に耐えられない状態に陥っているならやはり含み損がキャパオーバーしているので全決済です。判断が遅れて手遅れになるよりは幾分マシです。

どうしても全決済を回避したいなら、まず上記の対処法3+4をすぐに実施してください。そして、含み損の振れ幅を小さくして冷静になる時間を作り、撤退したほうがいいのかを再検討してください。

ロスカットをシナリオに予め組んでいるならいいのですが、くれぐれも傍観してロスカット(はたまた追証)なんてケースは避けましょう。

本来であれば撤退ポイントは、自分で許容できる損失に収まるところに置かなければなりません。自分の許容できない損失になるところに撤退ポイントがあると、いざそこに到来しても損失の大きさ故に損失を受け入れられず決断できなくなります。

重要.撤退価格について

予め撤退価格を決めておかなければならないというのは前述のとおりですが、その撤退価格はどう決めればいいのでしょうか。

撤退価格の考え方・決め方ですが、自分の都合のみで決めるのは間違いです。相場は反発しやすいポイント、抜けたら流れが加速しやすいポイント、節目となるポイントなどがあります。そういったポイントに撤退価格を置くべきです。

以下のケースを見てください。

A.損失額は20万円までに抑えたい。1ドル102円になると含み損が20万円になるから撤退価格は102円にしよう。
B.直近3年での最安値99円半ばであり、そこを抜けると次の節目がない。そこを明確に抜けるとどこまで下がるかわからない。99.5円を明確に抜けたら撤退しよう。

どちらのほうが撤退価格として適切でしょうか。

Aは自分自身の資金の都合で決めています。その都合で決めた撤退価格は相場参加者のだれも意識していない価格かもしれません。そうするとそこで偶然にも反転する可能性は低くありませんか。

一方のBは相場参加者の多くが見ている価格です。何も根拠のない価格よりも優位性はあります。

ということで、撤退ポイントは自身の許容損失に収まりつつ、上記Bのように根拠のある価格であることが理想となります。

まとめ

グリッドトレードは含み損を常に抱える手法です。そしてその含み損の増え方も非常にスピードが早く、しっかりと管理しないといけません。

運用開始時にはしっかりと決めたはずなのに、実際に含み損を抱えてみると、頭で思っていたのとは違う・・・といったケースもあります。もし、含み損がキツく感じ始めたら

  1. ロットを小さくする
  2. 注文間隔を広げる
  3. 新規注文を止める
  4. ポジションの一部を損切する
  5. 諦めて全決済する

といった方法でコントロールしましょう。

上記1~4は組み合わせて使うとさらに効果的です。最初は注文間隔を広げておいて、さらに危なくなったら新規注文を止める。さらに危なくなったらポジションの一部を損切ってロスカットされないようにするといった形です。

含み損でキツくなってきたという方、最初の戦略の練り込みが足りなかったと反省しつつも、しっかり対処していきましょう。そして反省を次なる糧につなげていきましょう。

グリッドトレードは資産管理を誤ると一発退場になる危険性があります。そのようなケースに合わないようにするために事前にしっかりと運用設計しておくことが重要です。

 

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